2014年03月28日

消費税が上がることによる経営へ考え方

4月1日から消費税が8%になる。
TVを見ていたら日用品の買いだめに走しる消費者の様子が映っていた。
庶民のささやかな抵抗ではあるが本人たちにとっては切実なことだ。
政府も民間企業に対して賃上げをしろ、との大合唱である。
公共機関の入札や調達にも賃上げの実績や計画の回答項目もあるらしい。

消費税が3%増えれば自動的に賃金も3%増えても当然、との気運もある。生活費の負担が増えるからだ。
しかし、経営の立場では、元々消費税は国家に納めるものであって企業の財布には入らない。
一方で賃上げすることは確実に企業の利益を圧迫する要因である。しかも固定的に。
理屈は簡単。
消費税は売上消費税から、賃金等を除く経費の支払い消費税を引いた差額を国家に収める。
賃金(給料や賞与)には消費税がかからないから、賃金が上がると消費税とは無関係に企業の利益を減らすことになる。
だから、企業は消費税増税の対策に、
・値上げ先行で売上拡大
・総賃金抑制を含む経費削減
に走る。
賃金は抑制どころかむしろ賃上げ傾向だから、結局は売上拡大(粗利益拡大)、仕入抑制等の経費削減に向かう。

こう考えると経営はシンプルだが、利益拡大のとるべき手段は無限にあり経営の面白さもそこにある。
まさに経営者の腕のみせどころだ。

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中嶋 勇
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2014年03月23日

時代はクラウドソーシングへ

 「クラウドソーシングの衝撃」という本がある*1。
クラウドソーシングとは、発注者がインターネットを介して不特定多数のクラウド(群衆)にアクセスして必要な人材(受注者)を調達する仕組みである。
発注者は企業で、受注者は個人が圧倒的に多いが企業でも構わない。
受注者、つまり仕事を請け負う“群衆”には、デザイナー、ウェブ制作者、主婦、学生など多彩。

 日本でのクラウドソーシング事業者は約200社といわれるが、その中でランサーズとクラウドワークスが上位2社である。
特にランサーズは、2008年12月にサービスを開始した日本におけるクラウドソーシングのパイオニアであり、受注登録した会員数は18万人を超え、この業界ではトップを走っている。

 矢野経済研究所の推計では、国内のクラウドソーシングの市場規模は、2013年の約246億円から2017年には約1437億円へと約6倍に成長すると見ている。

 過日(2014.2)、(株)クラウドワークス吉田社長の講演を聞く機会があった。
吉田社長曰く。
・個人のスキルを売る仕組みがクラウドワークス
 課題をオープンにしてあらゆる工程にスキルを持った個人が参加していく仕組み
・メーカーの商品作りにはユーザ(消費者)の共感が重要であり、ユーザのアイデアや提案を取り入れた消費者参加型の商品開発が出てきている(例:ボンカレー)
・同じ「働く」にも、ワクワク、喜び、ありがとう、早いね、などが共感できる働き方がお金よりも支持される時代になった
そして、「人びとの共感性を主体にした新しい経済を生み出すことを目指したい」と、講演を結んでおられた。

 私も「クラウドソーシングの衝撃」は出版されて即読了したのだが、いろいろと考えさせられる時代に入ったと感じている。
独りよがりな私見ながら、IT業界の今後を推測すると、
・多重請負(偽装請負)の法的な禁止
・派遣会社の許認可&審査厳正化
・PM人材の保有企業へ発注集約
・EU(エンドユーザ)自身のインソース化
・EUのアウトソースPJの細切れ化(=大手SIerだけではなく中小会社へも発注)
が起こるような気がしている。
そして、クラウドソーシングはまさにこのようなことを決定付けてしまう大きな黒船になるかもしれない。

 時代の波には抗しがたい。 期待と不安を増幅させながら、この先のクラウドソーシング時代に乗っかっていくのが経営だと思うし、先を見据えた舵取りをしていかねばならない、とも強く思うものである。

*1 著者:比嘉邦彦氏・井川甲作氏 発行:インプレスジャパン 2014年2月初版

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中嶋 勇
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2014年03月16日

大学中退者就職支援の動き

毎日新聞 2014年1月31日(金)の記事
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 フリーターなど非正規雇用に結びつきがちになる「大学中退」について、文部科学省は今年度から全ての国公私立大を対象に実態調査する方針を決めた。
 大学の中退者は少なくとも年間6万人以上とみられ、非正規雇用増加の要因になっているなど社会的損失が大きい。
 同省は継続して毎年調査し、背景など詳細を分析。中退防止策を探るとともに就職状況の改善にもつなげたい方針だ。
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 せっかく大学入学したのに、途中で退学してしまう学生が私立大で年平均3%前後いるらしい(中退率)。 例えば全学生3000人の大学なら3%は約100人。学費が年100万円なら1億円の機会損失だ。 一方、学生にとっては非正規社員で採用されたとしても、待遇面、教育研修面等、正社員との大きく較差が生じてしまい不利だ。
 中退者が出る主な原因は経済的な理由よりも、教育内容・方法が合わない、学力不足で授業についていけない、などの理由が大きいようだ。
 何のために大学へ行くのか、という目的が不明確であったり、とりあえず行ける大学へ(学部学科へ)入学する、ということならば、まずは中学・高校段階での進路指導をしっかりすべきではないかと思う。
 とはいえ、中退者が年6万人以上いる現実に対しては政府としても大学側としても産業界としても早めに改革の手を打つ必要があろう。
 改革の小さな取り組みとして、過日、就労斡旋のイベントが新宿で行われ、当社も採用側企業として参加した。 約20社の中小企業と30人ほどの求職者(全員が中退者)のマッチングだ。 この取り組みは目新しいらしくNHKも取材に来ており即日「厳しい大学中退者の就職・支援の取り組み」としてNHK-TVで報道されたようだ。
 求職者は20代がほとんどで皆真剣な面持ちで面接に臨んでいた。 もちろん企業側も真剣。 結果としていい機会になることを期待したい。

 中退を選択せざるを得なかった学生は、その経験がハンディかもしれないが、いわば青春の挫折を味わった分強くなっているはずだ。 そう、理由は何であれ挫折を味わった者は強くなれる、度胸がつく。 なぜなら失うものは何もないし、背水の陣で臨めるからだ。

 どの業種どの企業どの職種であれ、雇用機会を多く提供するのが産業界の使命でもある。 中退者といえども有意な人材に育て戦力にしていく産業界でなければならない。 一方で、政府は中退者への就労機会の支援や中退者を減らす施策を大学側と連携して推進して欲しいし、大学をはじめ教育界でも中退率を減らすさまざまな努力が望まれる。

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中嶋 勇
posted by ボス at 13:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記